糸満晴明病院からのお知らせ

飲酒量低減薬「ナルメフェン」が処方開始になりました!

アルコール依存症治療の新薬であるセリンクロ(商品名ナルメフェン)が、3月から糸満晴明病院でも処方開始となりました。これはどんな薬なのでしょうか?薬局長に、お話を聞いてみました。

Q:早速ですが、ナルメフェンって、どんな薬なんですか?

A:簡単に言うと、アルコール依存症の方の、飲酒量を減らす手助けをしてくれる薬です。飲酒による高揚感(酔いによる幸福感)を抑えるため、飲酒量を減らす効果があります。酔い、という報酬が減るので、飲酒が終了しやすくなるんですね。

Q:でも、アルコール依存症の治療は「断酒」ですよね?減らすという選択枝もあるのですか?

A:もちろん、アルコール依存症治療の原則は「断酒の達成とその継続」です。しかし、「断酒」が壁となって治療に繋がらず(継続できず)、健康や家庭などに飲酒問題の影響が広がっていく方も大勢います。そのため、軽症の方などでは「飲酒量低減」も治療目標の一つとなり得ます。ナルメフェンが発売されたことで、「断酒」一辺倒だったアルコール依存症治療に、新たな選択肢ができたといえます。

Q:なるほど~。では、この薬の使い方を教えてください。

A:この薬は飲酒する1~2時間前に服用します。もし、お酒を飲み始めた後に「あっ!薬を飲み忘れた!」と気づいたときは、すぐに服用 しても大丈夫です。でも、飲酒終了後は服用できません。飲酒しない日は服用しないので、頓服薬のような感じの使い方になります。

Q:処方はどこの病院でも出来るのですか?

A:全ての病院で処方できるわけではありません。当然、当院にはアルコール依存症治療に十分な知識と経験を持つ医師がいますので、処方が可能です。ただ、全てのアルコール依存症患者さんに使えるという薬でもありませんので、詳しくは主治医と相談してください。

日本初となる「減酒薬」の登場で、飲酒問題に悩む方が早期に治療に繋がっていくといいですね。

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