糸満晴明病院からのお知らせ

断酒の難しさは?

退院後に禁酒を決意し3本柱の実践をしていたが、何かのきっかけで3本柱が崩れて再飲酒してしまった・・・。

そういう経験はありませんか?

断酒は簡単そうに見えて実は難しいもの。アルコール依存症治療に長年携わった精神科医であり、作家でもある「なだいなだ」氏は、断酒の難しさを著書「とりあえず今日を生き、明日もまた今日を生きよう」の中で次のように述べています。


「難しさ」には2種類ある。1つは人間なら出来るかもしれないが、ともかく難しい。

オリンピックで金メダルを取るような種類の難しさです。

もう1つの難しさとは何か。簡単なようでなかなか出来ない難しさ。

それは10円玉を毎日毎日貯金するような難しさです。

1日も休まない。365日やれば3,650円貯まることになる。これが出来るか。いや、以外と出来ないんですよ。

「ああ、忘れいた」という日が1日ある。そうすると最初からやり直さねばならない。ところがやり直す気持ちがなくなってしまう。200日位で1日忘れてまた365日に挑戦しようという人は殆どいない。だから1年やれる人は少ないのです。それと同じような難しさ、これがアルコール依存の難しさなのです。

そして断酒はその難しさへの挑戦です。

言葉には今日、明日、明後日とありますが、明後日生きようと思ったって生きられない。生きているのはいつも今日、生きているのいつも今、この瞬間しかない。というわけで、今日に挑戦です。

著書:「とりあえず今日を生き、明日もまた今日を生きよう」なだいなだ より引用


依存症からの回復を目指し、飲まないための生活習慣を実践しようと努力するのは素晴らしいことです。

しかし、これまでの何十年と飲酒してきた生活習慣や思考パターンを、たった2ヶ月半の入院ですっかり変化させるのは難しいことです。「今日は体調が悪いから」「雨が降っているから」と頭は様々な理由を考え出します。

「でも、とりあえず今日1日」お酒から心身共に離れる努力をしましょう。

その積み重ねが新しい生き方に変わるのです。

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